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クイックコマースの普及と課題

2024.10.11

クイックコマースが注目される背景

クイックコマースとはユーザーがECサイトで注文した食品や日用品などの商品を短時間で自宅や職場等の指定した場所に即時配達するネットショッピングです。従来のEコマースは受注した商品を配達完了するまでに、早くても半日から1日程度かかるデメリットを解消したのがクイックコマースと言えます。2020年の新型コロナウイルスの大流行により、不要不急の外出や人込みを避ける傾向が一般的になり、巣ごもり需要が高まった事でクイックコマースが注目を集める背景となりました。

 

2023年の日本のクイックコマース市場規模は約4,750億円で2027年には約7,740億円に達すると予測されています。*ebisumart MEDIAより。

 

 

ダークストアとは

ダークストアとはECサイトで販売した商品在庫を保管する倉庫であり、配送拠点でもあります。即時配達が必須のため利用者の多い地域(オフィス街や住宅街)に設置されますので通常の物流センターのような大型ではなく、コンビニエンスストア程度のサイズが一般的です。コロナ禍や売上不振によって閉鎖を余儀なくされた実店舗の有効活用策として利用されるケースが多く、商品陳列や梱包・陳列・配送を行う機能を備えているため、初期投資を低く抑えられるメリットもあります。

 

一方でダークストアはその立地上、配達用スクーターの騒音や危険運転が問題になっており十分な対策が必要です。海外では規制の動きが出てきています。また、配達員の確保も大きな課題です。

 

実店舗型クイックコマースとは

コンビニエンスストアのクイックコマース

一番の特徴はユーザーが注文した商品をダークストアからではなく、実店舗でピッキングして、自宅や職場等の指定した場所に配達する仕組みを取っている事です。どのコンビニも豊富な店舗網を持っているため、ダークストアを構築する必要がなく、収益性を高めているのです。人口密度の高い地域に多くの店舗数を持っているコンビニは当初からクイックコマースのインフラを備えている状況にあるため、各社は手応えを感じているのです。店舗網を活かし、クイックコマースの新たな仕組みが模索されている中、コンビニはその店舗数において他業態よりも圧倒的に有利な状況にあると言えます。

 

大手食品スーパーのクイックコマース

大手各社は外部のプラットフォームのECサイト上に出店する形や自前のECサイトを活用し、配送を外部のプラットフォームと提携するケースが多数に及んでいます。SMのクイックコマースは弁当・惣菜の即食品や生鮮食料品、日用雑貨、ペットフード等の豊富な品揃えが最大の魅力です。様々な事情で外出が困難なユーザーや、時間が取れないユーザーが日常的な買物の代替として利用しており、客単価も高くなっています。

 

クイックコマースの今後

海外ではメジャーな買物の形になっており、日本にも高いポテンシャルがあることは間違いありませんが、このサービスを成功・普及させることは容易ではなく、実際に大手外資系企業や国内企業の撤退事例も多く存在します。その背景として、そもそも日本の都市部は、同一エリア内にスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等の店舗が複数あり、既にユーザーの利便性が極めて高い環境にあること。加えて、労働人口の減少により、配達員の確保が難しいことが挙げられます。配達員の確保のために給料を引き上げると、配送料も値上げとなり、ユーザーは利用しなくなるので、配送料金の値上げではなく、全体のコストを抑える努力が必要となります。今後は大手企業が顧客基盤やマーケティング力を活かし、どのようにクイックコマースを拡大していくかに注目したいと思います。

 

クイックコマースマーケットは多くの企業が参入した第1段階から、各課題を克服してどのように拡大するかを事業者がしのぎを削る第2段階に突入したと言えます。

 

以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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