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小売店の経営を効率化するPOSシステムの進化

2023.11.13

POSシステムとは「Point of Sales」(販売時点情報管理システム)の略であり、商品についているバーコードを機械で読み取り、販売情報を収集するシステムです。POSシステムは、小売店での販売管理や経営分析に役立つ様々な機能を持っています。具体的には以下のようなことができます。

POSシステムができること

・商品管理

商品情報を登録することで、データ上で店舗の商品管理を行います。売上の傾向や在庫数などを管理し、常に新しい在庫数の把握につながります。

・データ収集

商品購入後のデータを管理することで、売れ行きをリアルタイムに集計。すぐに売上動向のチェックが可能です。

・バーコード管理

バーコードで商品情報をすぐに読み取ることでスムーズに会計を行います。

・基幹システムとの連携

POSレジと基幹システムを連携すれば、店舗ごとの売上報告を待たずに本部で売上データの確認ができます。売上情報以外にも、顧客情報や在庫数なども本部と店舗で共有することができ、スムーズな経営管理が可能となります。

・複数店舗の管理

複数店舗のデータを一元化でき、各店舗の売上状況をリアルタイムで確認できます。また、店舗にいなくても在庫数の把握ができるため、店舗間の在庫調整などの判断がしやすくなります。

・経営分析

商品ごとの売上管理だけでなく、一緒に購入されたのがどんな商品かなどを把握することで、商品の販売分析が可能です。また、曜日・時間帯別の売上や客層を抽出し、店舗の来店傾向やピークタイムの分析にもつながります。

POSシステムの種類

POSシステムには、大まかに以下のような種類があります。

  • ターミナルPOS
  • パソコンPOS
  • モバイルPOS、ハンディターミナル
  • タブレットPOS(スマートデバイス型)

POSシステムの歴史と現代

POSシステムは、小売店で活用される少額取引の金額表示をする「レジスター」として登場したものが、時代とともに進化したものです。世界最初のレジスターは、1878年にアメリカのカフェ経営者によって生み出されました。カフェで働く店員が頻繁に売上金をごまかされるのを防ぐことがきっかけと言われています。 1970年代には取引金額を確認する機能に加えて、詳細な商品管理ができる「POSシステム」がアメリカで開発されました。大手コンビニエンスストアがPOSシステムと同じ時期にバーコードの導入も進みバーコードで商品管理を行う方法が普及していきました。 その後、取引から商品管理までをデータ管理されるようになり、1878年に誕生したレジスターはPOSシステムとして開発・導入が進んだのです。

近年のPOSシステムは、決済や販売状況の記録のほかにも様々な機能が搭載されました。例えば、商品情報を登録しておき在庫を管理したり、バックヤードでは従業員の勤怠管理に使用されています。商品ごとの売れ行きがデジタル化されるなど、データとして活用できるなど、より利便性を増しています。データの分析結果に基づいて、仕入れ量の調整や次期商品の開発などが行われています。

POSシステムの最新動向

これからのPOSシステムは、どのように進化していくのでしょうか。ここからは、POSシステムの最新動向について簡単に紹介していきます。

  • キャッシュレス決済が普及する
  • AIやビッグデータの活用が進む
  • オムニチャネル化が進む

POSシステムの最新動向についてお伝えします。

– キャッシュレス決済が普及する

最新のPOSシステムは、各種電子マネーやQRコード決済などのキャッシュレス決済に対応しています。これらの新しい方式が決済手段の中心になれば、現金の管理や釣銭の準備などの手間が省けるだけでなく、決済データを分析して顧客の嗜好や購買履歴を把握することもできます。また、キャッシュレス決済は、コロナ禍での非接触型のサービスとしても注目されています。日本では、2020年に政府がキャッシュレス決済の普及を促すためにポイント還元制度を導入しました。その結果、2021年にはキャッシュレス決済の利用率が約30%に達しました。2023年には、さらにキャッシュレス決済の普及が進み、利用率が約50%になると予測されています。

– AIやビッグデータの活用が進む

POSシステムは、販売データを収集するだけでなく、AIやビッグデータの技術を活用して、より高度な分析や予測を行うことができます。例えば、顧客の購買履歴や属性を分析して、個別に最適な商品やサービスを提案したり、クーポンやポイントを発行したりすることができます。また、商品の需要や在庫の動向を予測して、仕入れや発注の最適化を行うこともできます。さらに、AIを活用して、レジの自動化や顔認証による決済などの新しいサービスも登場しています。例えば、中国のアリババグループが展開する無人店舗「Hema Fresh」では、顔認証による決済やロボットによる配送などのサービスが提供されています。

– オムニチャネル化が進む

オムニチャネルとは、店舗やオンライン、スマホなどの様々なチャネルを統合して、顧客に一貫した体験を提供することです。POSシステムは、オムニチャネル化を支える重要な役割を果たしています。例えば、店舗で商品を見てオンラインで購入したり、オンラインで注文して店舗で受け取ったりすることができます。また、店舗やオンラインでの購買履歴やポイントを共有したり、オンラインでのカスタマーサービスやレビューを店舗で活用したりすることもできます。オムニチャネル化によって、顧客は自分の好きな方法で商品やサービスを利用できるようになり、店舗は顧客のニーズに応えることができるようになります。例えば、日本のユニクロは、オムニチャネル化を推進するために、POSシステムを刷新しました。ユニクロのPOSシステムは、店舗やオンラインでの購買履歴やポイントを共有するだけでなく、在庫や商品情報をリアルタイムに表示したり、店舗での商品の取り置きやオンラインでの予約や配送などのサービスを提供したりしています。

POSシステムの最新の動向や将来の展望

次の3つの観点から考察してみたいと思います。

クラウド化

POSシステムは、従来は専用のサーバーや端末を必要としていました。近年はクラウドサービスの普及に伴って、インターネットに接続されたスマートフォンやタブレットなどのデバイスで利用できるようになっています。クラウド化によって、POSシステムの導入や運用が容易になり、コストやメンテナンスの負担も軽減されます。また、クラウド化によって、POSシステムのデータをリアルタイムに集約・分析することができ、より高度なビジネスインテリジェンスやマーケティング戦略を実現できます。クラウド化は、POSシステムの柔軟性や機能性を高めるとともに、ビジネスの競争力を強化する重要な要素となります。

AI化

POSシステムは、人工知能(AI)の技術を活用することで、さらに進化する可能性があります。AI化によって、POSシステムは、顧客の購買履歴や嗜好、行動パターンなどのデータをもとに、個別の顧客に最適な商品やサービスを提案したり、価格や在庫を最適化したり、需要予測や売上予測を行ったりすることができます。AI化によって、POSシステムは、顧客のニーズや期待に応えるとともに、ビジネスの効率化や収益化を促進する強力なツールとなります。

無人化

POSシステムは、無人化の流れにも対応することができます。無人化によって、POSシステムは、レジや店員の必要性をなくし、顧客が自分で商品を選んだり、支払いをしたり、受け取りをしたりすることができるようになります。無人化によって、POSシステムは、人件費や店舗運営のコストを削減するとともに、顧客の利便性や満足度を向上させる効果があります。

POSシステムは、小売業の発展に欠かせないシステムとして、日々進化しています。今後も、POSシステムの技術やサービスに注目していきましょう。

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