売り時を逃さない!クリスマス商戦の「プレミアムアイス」に注目
2021.12.02
12月に入り、年末・年始商戦の準備でお忙しい方も多いのではないでしょうか?
売れる時期だからこそ、商品発注に慎重になる方も多いかと思います。
今回は、業界の方は知る人も多い「アイスは夏だけではなく12月にも売れる」という話題です。
「12月のアイス商戦」についてお届けいたします。
「ウェザーマーチャンダイジング」による昇温商品、降温商品
天気や気候による顧客動向の変化を事前に読み、売上向上につなげる販売促進方法が「ウェザーマーチャンダイジング」です。
体感温度の上下に合わせて売れる商品のことを「昇温商品」「降温商品」といいます。
昇温商品:体感温度が上がるほど売れる商品
降温商品:体感温度が下がるほど売れる商品
暑い夏には冷たいアイスが売れるため、一般的にアイスは「昇温商品」と言われます。
反対に、昇温商品と言われるアイスの売れ行きが12月にアップするというデータもあります。
それを裏付けるように、ハーゲンダッツは12月に一番売れる商品です。
今回は、12月のアイスの売り上げに注目します。
寒い冬にも売れる「アイス」
<カテゴリー別販売指数(金額)RDS06 スーパー 00 全国 (2019年12月30日の週~2020年12月21日の週) >
(【上記データ提供元】株式会社マーチャンダイジング・オン)
グラフは昨年のデータです。
12月21日の週の売り上げが急激に伸びています。
日本でクリスマスといえば「ケーキ」がテッパンですが、「クリスマスにアイスを食べる」需要も一定数あるということはご存知の方もいらっしゃると思います。
そもそも世界のクリスマス事情を見ると、アメリカはクッキー、イギリスはミンスパイ、ドイツやオランダのシュトーレンなど、地域によって様々なお菓子が普及しているため、クリスマス=ケーキというのは日本独特の習慣です。
ここでいったん、「アイス」の検索ワードをもとに、ニーズのトレンドを俯瞰的に見てみましょう。
Google トレンド(Google で検索されるキーワードの検索回数の推移がわかる)のデータを引用します。
Googleトレンドで「アイス」「アイスクリーム」というキーワードで検索ボリュームを見ると、検索数の上下変動はあるものの月、年単位での規則的な上下変動は見られません。これにより、季節性のトレンド以外にも、アイスが売れるニーズがあることを示しています。
「プレミアムアイス」の中でも「ハーゲンダッツ」がトップ10を独占
30年以上もの間、「ハーゲンダッツ」は12月の売り上げが最も多いのがアイスとしても有名です。(ここでいう「プレミアムアイス」とは、乳脂肪分が10%以上の物を指します)。
昨年のデータを見ても、プレミアムアイスの中でトップ10を独占しています。
<プレミアムアイス販売金額ランキング RDSスーパー 全国 (2020年12月21日の週)>
(【上記データ提供元】株式会社マーチャンダイジング・オン)
アイス全体の売り上げでは、ハーゲンダッツが半数以上を占める中、意外にも1位はチョコモナカジャンボという結果に。
チョコモナカジャンボといえば、50年以上前から販売されている定番商品です。
他にもトップ10の中には、発売45年のピノや近年定番商品と化した「パルム」「エッセルスーパーカップ」など、有名商品がランクイン。
プレミアムランランキングでトップ10を占めたハーゲンダッツも6つランクインし、クリスマス時期には安定して人気な「定番アイスを食べる」傾向があります。
<アイスクリーム類全体販売金額ランキング RDSスーパー 全国 (2020年12月21日の週)>
(引用:【上記データ提供元】株式会社マーチャンダイジング・オン)
ケーキの代わりにアイスが選ばれる理由
このように12月はカットケーキやアイスケーキの代用としてアイスを選ぶニーズがあることが分かります。その理由として、下記の仮説が考えられます。
・個包装商品のニーズの高まり(世帯数減少や家庭内「個食化」の影響や感染防止対策)
・遠出しなくても買える定番商品の需要が高まった(感染防止対策)
・「プチ贅沢」にかける金額が低くなった(可処分所得の減少)
「クリスマス気分を味わいたいが、ケーキを食べるのは面倒」という層がアイスを選ぶ傾向があるのではないでしょうか?
<カテゴリー別実績推移(金額) RDS06 スーパー 00 全国 (2020年11月~2021年10月) >
(引用:【上記データ提供元】株式会社マーチャンダイジング・オン)
プレミアムアイス:乳脂肪分が10%以上の商品。
ファミリーアイス: プレミアムアイスを除く内容300ml以上の商品です(ただし、内容量は300ml未満で個包装3個以上のものを含む)。ファミリーアイス、パーソナルアイスのギフト用を含む。※パフェ類は「パーソナルアイスその他」
パーソナルアイスその他: パフェを含みます。プレミアムアイス、ファミリーアイス以外のアイスを含みます。
グラフを見ると、2020年12月は前年よりもアイス全体の売り上げが増えています。
これにより、コロナ禍の影響で巣ごもり需要の加速により、自宅でクリスマスを過ごした方が増えたとも考えられます。
12月こそアイスの売り上げに注目!
今年のクリスマスは、昨年に比べて外食や専門店でのケーキ購入なども増えることが予想されます。
しかし、依然として個食化や感染防止対策、可処分所得の減少などの流れは続いています。
チキンやケーキ、パーティパック等の売り上げだけではなく、プレミアムアイスの売り時を逃がさないよう、改めてPOSデータをチェックしてみてはいかがでしょうか?
【上記データ提供元】株式会社マーチャンダイジング・オン
全国の食品スーパー1,247店舗のPOSデータをもとに作成した市場データ「RDS」により抽出したデータを引用しています。
ランキングの詳細は下記までお問い合わせください。
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