小売店舗でもできる簡単省エネ対策~環境負荷を減らしながらコスト削減する方法
2023.07.31
2021年以降、世界的に様々な要因が複雑に絡み合いエネルギー価格が高騰しています。そのため、各国の輸入物価や消費者物価にも影響を与えています。
エネルギーの高騰は、家庭での電気代やガス代の値上げといった個人レベルでの影響はもちろんのこと、小売店舗のオーナーや従業員の皆様にとっては、店舗の経費高騰という課題に繋がる大問題です。そのため、省エネに積極的に取り組んでいる企業、店舗も多いと思います。
小売店舗は電力消費量が多く、温室効果ガスの排出量も大きい業種です。省エネ対策を行うことで、環境への負荷を減らすだけでなく、電気代やメンテナンス費用の削減、顧客満足度やイメージアップなどの経営効果も期待できます。
省エネ法とは
近年、コストアップに伴う省エネ需要が高まっています。
もともと日本は、化石燃料に乏しいことから、長い間省エネルギーに取り組み、世界でもトップクラスの省エネを達成してきました。日本の省エネの歴史は古く、1979年に「省エネ法」を制定以来、急激な経済成長やビジネスモデルの変化に応じて改正を繰り返し、現在まで国を挙げて取り組まれてきた課題です。
省エネ法では、工場や事業所、輸送事業者、荷主、機械器具の製造・輸入事業者、家電の小売事業者やエネルギー供給事業者などが規制対象となっています。
これらの業者は、省エネ法に従って、エネルギーを上手に使う方法を考えたり実行したりしなければなりません。省エネ法では、どのようにエネルギーを使うべきかという基準も示しています。また、大量のエネルギーを使う業者には、どれだけエネルギーを使ったかということを報告することが必要になります。
省エネ対策の分野と方法
小売店舗は電力消費量が多く、温室効果ガスの排出量も大きい業種です。省エネ対策を行うことで、環境への負荷を減らすだけでなく、電気代やメンテナンス費用の削減、顧客満足度やイメージアップなどの経営効果も期待できます。
小売店舗の省エネ対策の基本は、「使用電力の把握」「使用時間の適正化」「省エネ機器の導入」。店舗を運営していると日々の売上にどうしても意識が向きますが、不必要なエネルギーを削減することも大切な視点です。
小売店舗で省エネ対策を進めるときは、エネルギー消費原単価を部門ごとに把握することで、削減目標が立てやすくなります。エネルギー消費原単価とは、ある部門の売上高に対するエネルギー消費量の割合です。これを管理するツールとしてBEMS(Building and Energy Management System)を利用することで、いつどこでエネルギーが消費されているか可視化することが可能になります。
空調や換気設備の省エネ対策として、外気導入の全熱交換器を採用する方法があります。来店者数などに応じて取り込む外気量を設定し、店内環境の適正化を図れます。また、外気の影響を受けやすい出入口には風除室を設けるのも一手です。
小売店舗における省エネ対策は、主に照明、空調、ショーケース、冷凍・冷蔵などの分野に分けられます。それぞれの分野において、以下のような方法があります。
照明
・LED照明やインバーター照明など省エネタイプの照明器具に交換する
・天井や壁面などの反射率を高める
・必要に応じて自然光を取り入れ照明の代わりにする
・場所や時間に応じて照明の種類を変える
空調
・適切な温度設定や運転時間を守る
・送風機能、扇風機の利用により店内の空気を循環させる
・カーテンや断熱材、遮熱フィルムなどで外気の影響を抑える
・換気扇や空調ダクトなどの清掃や点検を行う
・ショーケース:CO2冷媒やインバーター制御などの省エネタイプのショーケースに交換する
・扉付きやカーテン付きのショーケースを使用する
・ショーケース内の商品の配置や整理を工夫する
・ショーケース周辺の温度上昇を防ぐ
冷凍・冷蔵
・CO2冷媒やインバーター制御などの省エネタイプの冷凍
・冷蔵機器を交換する
・扉付きやカーテン付きの冷凍・冷蔵庫を使用する
・冷凍・冷蔵庫内の商品の配置や整理を工夫する
・冷凍・冷蔵庫周辺の温度上昇を防ぐ
熱搬送設備
・ファンやポンプなどについては、BEMSの導入により機器の運転台数制御するなど、必要なエネルギー量をコントロールすることで省エネ化を図りましょう
省エネ対策の効果と評価方法について、下記の点について確認すると良いでしょう。
・省エネ対策を行った結果、電力消費量やCO2排出量がどれくらい削減されたかを確認する
・電気代やメンテナンス費用がどれくらい節約できたかを確認する
・顧客満足度やイメージがどれくらい向上したかなどを数値やグラフで示す
・省エネ対策の効果を定期的にモニタリングし、改善点や課題を見つける
まとめ
小売店舗の省エネ対策は、環境と経営の両立を目指すために重要な取り組みです。省エネ対策は続ければ続けるほど、コスト削減の効果が高まります。
ぜひ、今回紹介した方法を参考にして、自分の店舗でも省エネ対策を行ってみてはいかがでしょうか。
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