小売業の業務改善、なぜ現場で止まるのか?「改善しない業務」を決めるという選択
2026.09.09
多くの小売企業で「生産性向上」や「業務改善」が取り組まれています。しかし、改善施策を導入すればするほど、現場には新しいルールや手順が重なり、「引き算のない足し算」によってかえって現場が疲弊してしまうケースが少なくありません。
そこで一度、発想を変えてみます。「何を改善するか」ではなく、「何を改善しないか」を決めます。
全ての業務を無理に効率化する必要はありません。改善にかかるシステム改修費やマニュアル作成、現場への教育コストに対して効果が小さい業務は、あえて「現状のまま残す」という判断も経営戦略として重要です。
一方で、売上・利益・顧客満足・従業員負担の軽減に直結する「真に変革すべき核心業務」に限られた経営資源を集中させる。これが「改善の選択と集中」です。
【事例】1日30分の削減改善、全社で取り組むべきか?
ある小売企業では、全店で発生する特定作業(1日約30分/店舗)の削減プロジェクトが浮上しました。100店舗なら年間約180,00時間。数値上は大きな改善テーマに見えます。
しかし、検証の結果
・システム改修と教育コストに相応の費用と期間を有する
・現場の作業手順変更による一時的な混乱リスクが発生する
単に削減できる「時間」だけでなく、「導入コストと現場負担」を天秤にかけた結果、この業務の改善優先度は下げ、よりインパクトの大きい業務改善へとリソースを集中させました。
「改善できる業務」と「今、改善すべき業務」は違います。貴社の現場でも、あえて「今は変えない」と決める業務の線引きを行ってみませんか?
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【執筆】
株式会社エムアンドアール マーケティング戦略課 主任 H・O
<プロフィール>
小売業で30年のキャリアを持ち、エリアマネージャーとして多数の店舗管理を主導。経営会議への参画や全社的な販売計画書の策定を通じて、店舗現場から経営戦略まで幅広く精通する。現在は小売業界に特化した人材ソリューション事業にて、店舗運営支援や人件費・採用適正化の分析・執筆を担当。現場視点と経営視点を融合させた実践的な情報発信を行っている。
主な支援先
国内の大手・中堅スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、百貨店内小売店、アパレルショップなど
【監修者】
株式会社エムアンドアール マーケティング戦略課 Y・M
<プロフィール>
小売業界歴20年|店舗運営・人材育成の現場エキスパート
小売業界で20年にわたり、店長・ブロック長・エリア長・教育担当として、店舗運営と人材育成に携わってきました。
新店立ち上げ時のスタッフ教育、既存店スタッフの接客・CS教育、新入社員研修など、店舗現場における人材育成を幅広く経験。全国約300店舗を対象としたCS施策や臨店指導、8店舗のエリア統括にも携わりました。
ドラッグストアでは、人事部の教育担当として中途採用社員や新店従業員の教育を担当するとともに、店長として従業員管理・予算管理も経験しています。
保有資格・免許
- 中学校教諭一種免許状(国語)
- 高等学校教諭一種免許状(国語)
- 医薬品登録販売者
- 食品衛生責任者
- 酒類販売管理者
- レクリエーション介護士2級
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