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ウィズコロナ・アフターコロナで小売業界はどうなる?

2020.12.14

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コロナ禍で「新しい生活様式」が浸透してきた中、企業のリモートワーク導入や休校など外出自粛が進み自宅で過ごす時間も増え、巣ごもり消費や内食需要が更に高まりました。
オンラインでの宅配サービスやネットショッピングを活用する人が増える一方、食品・生活必需品を扱う食品スーパーも売上が増加傾向にあります。

小売業界が常に抱えている人材確保の課題については、コロナ禍で求職者が増えて、自社雇用をする企業も多くなったものの、教育研修が追いつかず接客品質に影響が出ているうえ、雇用の定着に至らない現実があります。

 

小売業界の売上について

オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会が2020年11月20日に発表した食品スーパー270社の10月の売上高(速報値)は、総売上高は9224億2236万円で、既存店ベースで前年同期比3.6%増と9カ月連続で前年実績を上回っています。
新型コロナウイルス感染症による家庭内消費需要が堅調で、生鮮3部門を中心に売上は好調のようです。

 

消費者の購買行動傾向

3密を避けるため、政府による買い物頻度を下げる要請が行われ、生活必需品が1カ所で揃う身近なスーパーマーケットやドラッグストアなどに買い物客が集中しました。
混雑緩和や3密回避の対応に追われた店舗も多いのではないでしょうか?

各企業や機関から、消費者の購買行動傾向の調査報告が公表されています。
その後の購買行動はどのように変化しているのか、見てみましょう。

 

一般社団法人全国スーパーマーケット協会の調査によると、スーパーマーケットへの来店頻度は新型コロナウイルス感染拡大前後で大きな変化はみられなかったものの、買い物時間帯については、夜から昼にシフトした世帯が多くなったことが明らかになったとされています。

スーパーマーケットへの来店頻度は、新型コロナウイルス感染拡大前後で大きな変化はみられなかったものの、買物時間帯については、在宅勤務の増加や、学校等休校などの影響もあり、夜から昼にシフトした世帯が多くなったことが明らかとなりました。それにより、以前から昼に買物をしていた消費者と、利用時間帯が重なってしまうことで、店舗が混雑する要因となっています。
商品の陳列状況や、店舗従業員のシフトなどによっても変動しますが、現在、課題となっているスーパーマーケットの混雑緩和、3密の回避に向けては、消費者に対して来店頻度の抑制を求めるよりも、買物時間帯の分散への協力を呼びかけることが、より有効な手段であると考えられます。

一般社団法人全国スーパーマーケット協会が2020年4月17日(金)~19日(日)に行ったインターネット調査「新型コロナウイルスの買物行動への影響(首都圏在住の消費者1,100人対象)」(http://www.super.or.jp/?p=11149)

 

株式会社成城石井が、2020年8月に行った「コロナ禍における食品スーパーの利用意識調査」によると、食品スーパー離れは進んでおらず、消費者は、食品スーパーに「安心・安全」・「高品質」・「品揃え」を求めていることがわかります。

ネット通販やネットスーパーの利用が増加している中でも、直近1か月以内の食品購入は、半数が「食品スーパーのみ」を利用しており、食品購入においてネット通販を重視している割合は1割にも満たないことが分かりました。
感染症に対する不安の声が大きい中でも、7割以上が「直接手に取って選びたい」と圧倒的に高い結果となり、コロナ禍の食品スーパーへの期待は感染症対策だけでなく、食品の品質へのこだわりや、豊富な品揃えに加え、日々の買い物の中で楽しみや発見をご提供する重要な役割を担っていることが、この度の調査で明らかになりました。

成城石井プレスリリースより引用(http://www.seijoishii.co.jp/whatsnew/press/desc/397)

 

凸版印刷株式会社と株式会社ONE COMPATHが行った、新型コロナウイルス感染拡大前と現在(2020年9月17日記事)の買い物に関する意識調査によると、買い物に行く頻度や店舗での滞在時間が減少傾向であることや、滞在時間を減らす目的で計画的に買い物をする人が増えていることから、現在では計画的に短時間で買い物をする“テキパキ買い”の傾向が高まっていることが明らかになったとされています。

新型コロナウイルス感染拡大前(以下 コロナ前)と現在でどのような変化があったのかを中心に調査を実施。買い物に行く頻度や店舗での滞在時間が減少傾向であることや、滞在時間を減らす目的で計画的に買い物をする人が増えていることから、“テキパキ買い”の傾向が高まっていることが分かりました。

《買い物に関する意識調査(コロナ前と現在の比較について)サマリー》
・来店頻度は減少: コロナ前から現在で「ほぼ毎日」は半減、「週に1回」は9.4ポイント増
・滞在時間も減少: 「20分未満」が1.5倍、「30分以上」は3分の2に
・計画性が増加: 「予定していたものだけを購入」が2倍
⇒短期決戦型の“テキパキ買い”傾向へ

ONE COMPATHが運営する国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を利用する全国の男女50,431人を対象に、2020年8月4日(火)~8月17日(月)に行った買い物に関する意識調査(https://www.toppan.co.jp/news/2020/09/newsrelease_200917.html)

 

これらのことから、新型コロナウイルス感染拡大が始まった頃には、買い物客が昼間の時間帯に集中し混雑していたが、「安心・安全」・「高品質」・「品揃え」を提供する食品スーパーの需要はそれほど変わらず、現在では消費者が購買行動を変化させ、計画的に短時間で買い物をする傾向が高まっていることがわかります。

 

小売業界の取り組み

店舗でも、「従業員の手洗い・マスクの着用・健康状態の管理」はもちろんのこと、「レジ待ちのお客様の間隔を空ける」「レジスタッフとお客様との間に、透明のフィルムを設置」「試食やバラ販売の中止」など、対応に追われていることと思います。

小売業関連12団体からも「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」(10/27改訂)が公表され、店舗も自主的な感染拡大予防の対策が求められています。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大や人手不足などを背景に、食品スーパーでは正月三が日の営業を取りやめるところもあり、年末年始の休業や時間短縮を拡大する動きが広がっています。

「ウィズコロナ」「アフターコロナ」において、小売業界では今後も市場の動向を見ながら柔軟に対応していく必要がありそうです。

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