レジアウトソーシング(業務委託)と人材派遣の違い
2020.11.26
コロナ禍を経験してニューノーマルな生活様式に変わり、消費者の購買行動や購買環境も大きく変化しました。
人材教育やマネジメントの新しいあり方に取り組む企業もあるのではないでしょうか。
このような状況のなか人材採用を考える時に、自社で雇用するか、派遣やアウトソーシングなど外部の業者に委託するか、検討されている企業も多いと思います。
「派遣」と「アウトソーシング」はよく耳にするけれど、違いが理解できない。もしくは、「それぞれのメリットとデメリットがよく分からない。」といったことはありませんか?
そこで今回は、派遣とアウトソーシング(請負)の違いと注意点、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
目次
派遣とアウトソーシング(請負)の違い
派遣とアウトソーシング(請負)は、企業(派遣先・注文主)に外部から労働力を提供するという点では共通しています。
しかし両者には明確な違いがあり、労働の内容を理解していないことにより、企業と派遣・請負業者あるいは労働者の三者間でトラブルが起こる可能性があります。
両者の違いはどこにあるのでしょうか?
何を提供するか
人材(労働力)を企業(派遣先)に提供する派遣に対して、アウトソーシング(請負)は「労働の成果」を提供します。
指揮の命令関係の違い
派遣契約は、企業(派遣先)が派遣された労働者に直接命令するのに対して、アウトソーシング(請負契約)は、企業(注文主)から労働者に指揮命令関係は生じず、指揮命令を出すのは雇用関係のある請負事業主になります。
そのため請負労働者の就業時間や休憩、休日・休暇等の管理はもちろん、業務の遂行方法から評価、さらには労働者の服務上の規律、部署の配置まですべて請負事業主が行います。
注意点
企業(派遣先)と労働者との間に指揮命令関係がある場合は、労働者派遣事業に該当し、労働者派遣法の適用を受けます。
請負契約が結ばれている状態で、企業(注文主)と労働者との間で指揮命令関係があると、いわゆる偽装請負となる場合があるので注意が必要です。
参考「労働者派遣と請負の区分の必要性」
厚生労働省の「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」では、労働者派遣と請負の区分の必要性について、下記のように説明しています。
労働者派遣と請負とでは、労働者の安全衛生の確保、労働時間管理等に関して、雇用主(派遣元事業主、請負事業者)、派遣先、注文主が負うべき責任が異なっています。
このため、業務の遂行方法について労働者派遣か請負かを明確にし、それに応じた安全衛生対策や労働時間管理の適正化を図ることが必要です。
労働者派遣、請負のいずれに該当するかは、契約形式ではなく、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)」に基づき、実態に即して判断されるものです。
(参考:厚生労働省-関連情報 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/hakenhourei.html)
メリットとデメリット
ここまでは一般的な派遣と請負の違いをご説明しました。
では、レジ業務における派遣と請負には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか見てみましょう。
派遣のメリット
少人数からすぐに、スキルのある人材を派遣してもらえます。
短期間の利用が可能なため、クリスマスや年末年始などの繁忙期に期間限定で契約を行えます。
また、指揮命令関係があるので、現場で派遣スタッフに直接、指示・命令でき業務を効率的に進められます。
現場の判断で会社(派遣先)が指揮をとることで、不測の事態やトラブルにも迅速に対応できます。
派遣のデメリット
自社で雇用する場合と同じように派遣された人材を教育する必要があるので、業務内容の指導や説明・育成にコストと時間がかかります。
また、労働者を守る目的の労働者派遣法では具体的な業務内容はあらかじめ契約で決められていて、規定外の業務や時間延長を行なってもらうことではできません。
何気なくちょっとお願いした場合でも、業務内容に含まれていない場合はトラブルになる可能性があります。
レジアウトソーシングのメリット
企業にとって管理業務から解放されることがアウトソーシングを導入するメリットです。 事前に業務内容のすり合わせを行えば、あとは請負業者が業務を進めるので管理を一括して任せることができます。
コア業務に集中できる
店長がシフト調整やレジ周りのヘルプ業務に時間を取られてしまって、店舗運営やスタッフ教育に注力できないというようなお話をよく耳にします。
シフト調整や入退社時の手続きを含めた労務管理や業務管理などをアウトソーシングすることにより、店長がコア業務に専念できます。
接客品質が保てる
事前に研修を受けたスタッフが業務を行うので、接客品質を高レベルで維持することができ、顧客満足度につながります。
コストを削減できる
採用広告費をかけて人材募集を行ったのに、なかなか人が集まらない。というご経験はありませんか?
アウトソーシングにすると研修を受けたスタッフが業務にあたるので、採用広告費や研修費が削減できます。
アウトソーシングのメリットについては、以下の資料で細かくご紹介しています。
レジアウトソーシングのデメリット
レジ業務(および周辺業務)を請負業者に任せることになるので、下記デメリットが生じます。
社内にノウハウが蓄積しない
請負業者が業務を一括して行うので、社内にノウハウが蓄積されません。
直接指示できない
指揮命令関係がないので、現場で請負業者雇用のスタッフに直接、指示命令できません。偽装請負のトラブルに注意しましょう。
導入までの準備に時間がかかる
アウトソーシングすれば管理業務を一括して任せることが可能ですが、スムーズな運用のためには、事前の入念なすり合わせが必要になります。そのため、ポイントを抑えた導入を計画的に行いましょう。
まとめ
「労働の成果」を提供し指揮命令関係を持たないアウトソーシング(請負)と、人材(労働力)を企業(注文主)に提供し指揮命令関係を持つ派遣。
アウトソーシングと派遣には、「何を提供するか」と「指揮命令関係」の大きく2つの違いがありました。
それぞれ異なったメリット・デメリットがあるので、自社の抱えている課題に対して、アウトソーシングと派遣のどちらが適切なのか、業務内容・採用教育・コストなど総合的に判断する必要が求められます。
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